
アンカースクリューとは、顎の骨に埋め込まれるチタンでできた直径約2mm、
長さ5mm〜10mmの小さなネジのような器具です。正式には”歯科矯正用アンカースクリュー”やTAD、
ミニインプラントとも言いますが、アンカースクリューは、インプラントのように完全に顎の骨に埋め込まれるわけではありません。
埋め込まれても少しだけお口の中に出ています。矯正治療で歯を動かすためには、固定源という動かない支点が必要です。
アンカースクリューはとても強い固定源になるので、一般的な矯正治療より効率的に歯並びを整えられるようになります。

このような方に向いています
アンカースクリューは、次のような方に向いた矯正治療法です。
抜歯したくない方
八重歯を治したい方
前歯が出ている方
歯が伸びている方
外科手術を避けたい方
できるだけ早く治療を進めたい方
治療の特徴
アンカースクリューには次のような特徴があります。
- 1
治療時間が短い
先にお話ししたとおり、矯正用のアンカースクリューはとても小さく細いものです。埋め込みにかかる時間は数分もありません。
- 2
術後の痛みも少ない
アンカースクリューはとても小さいこともあり、埋め込んだ後の痛みや腫れもほとんどありません。
- 3
日常生活にも影響しにくい
アンカースクリュー自体が、食事や会話に影響することはほとんどなく、日常生活に影響を与えることがありません。
- 4
全く動かない
奥歯は動きにくいので固定源に利用していましたが、”全く動かない”わけではありません。少しは動いてしまいます。
アンカースクリューは、奥歯と違い全く動かないので、固定源としてはたいへん優秀です。
- 5
場所を選べる
アンカースクリューを設置する場所は、任意の場所が選べます。
治療を進めるに当たって最も効率が良いと考えられるところに設置し、そこを固定源にできるのもアンカースクリューの特徴です。
アンカースクリューの種類と特徴
01.セルフドリリングタイプ
事前の穴あけが不要で、スクリュー自体で骨に植立するタイプです。
植立が簡単で侵襲が少なく、最も一般的に使用されます。
02.セルフタッピングタイプ
事前にパイロットホールを形成してから植立するタイプです。
より確実な初期固定が得られ、骨質の硬い部位に適しています。
03.プレートタイプ
複数のスクリューで固定するプレート状の装置です。
強力な固定力が必要な場合や、骨の薄い部位での使用に適しています。
04.表面処理タイプ
スクリュー表面に特殊な処理を施したタイプです。 骨との結合性が向上し、より安定した固定が得られます。
アンカースクリューの適応
上顎前歯の後退
出っ歯の改善において、上顎前歯を効率的に後退させることができます。
従来の方法より大幅に治療期間を短縮できます。
臼歯の近心移動
奥歯を前方に移動させる際の固定源として使用します。
欠損部へのスペース閉鎖を効率的に行えます。
臼歯の遠心移動
奥歯を後方に移動させることで、抜歯を回避できる場合があります。
スペース不足の解消に非常に効果的です。
圧下(歯を押し込む)
出すぎた歯を骨の中に押し込む複雑な移動が可能です。
ガミースマイルの改善にも効果的です。
挺出(歯を引っ張り出す)
埋伏歯や低位歯を引っ張り出す際の固定源として使用します。
確実で効率的な牽引が可能です。
回転・傾斜移動
複雑な3次元的な歯の移動を精密に行えます。
従来の方法では困難な移動も実現可能です。
使用機器
歯科矯正用アンカースクリュー
アンカースクリューは、すべてチタンで作られています。
形状はネジに似ています。
アンカースクリューの直径は約2㎜、長さはおよそ5〜10㎜です。
期待できる効果
アンカースクリューを使った治療には多くの効果が期待できます。
奥歯を後ろに動かせる
通常の治療では、大臼歯という奥の大きな歯を固定源にして歯並びを整えていきます。このため、大臼歯の位置は変わりません。
もし大臼歯を後ろに動かすことができれば、歯を並べるスペースが広がりますが、通常の治療では困難です。
アンカースクリューなら、アンカースクリューを固定源にできるので、奥歯を後ろに動かすことができます。
抜歯の可能性を減らせる
治療で歯並びを整えようとしてもスペースがない場合は、歯をきれいに並べることができません。
そのようなときは、抜歯して歯を減らしスペースを確保していました。
大臼歯を後ろに下げることができれば、抜歯しなくてもスペースを確保できる可能性が広がります。
歯を沈める方向に動かせる
歯列不正の中には、歯が伸びているということもあります。
伸びている歯は、骨の方向(歯から見れば沈める方向)に向かって動かす圧下という移動をさせます。
圧下は矯正治療の中でも最も難しいとされていますが、アンカースクリューを使えば、難しい圧下という移動もしやすくなります。
治療期間を短くできる
特徴のところでもお話ししましたが、アンカースクリュー自体はとても小さいのですが、大きな奥歯以上の優れた固定力を持っています。
しかも、奥歯と違い、設置する場所を選べるので、歯を動かすのに最も効率の良いところを選んで設置できます。
このため、アンカースクリューを使った治療は、たいへんスムーズに歯を動かせるので、治療期間を短くすることができます。
外科手術の可能性を減らせる
顎の骨格自体に異常があり、それが原因で歯並びが悪くなっている場合は、顎の骨の形や大きさなどを外科的に改善させる外科手術が必要です。
顎の骨格の異常があったとしても、軽度な異常なら、アンカースクリューを使えば外科手術をせずに歯並びを改善できる可能性があります。
他にも、アンカースクリューなら、上顎、下顎共に外科手術が必要なケースが、下顎だけですむようになるなど、外科手術の負担を減らす効果も得られます。
注意事項
アンカースクリューを使った治療を受ける上での注意事項は次のとおりです。
取れてしまうこともある
アンカースクリューは、ミニインプラントと言いながらも、人工歯根のインプラントほどの強さはありませんし、使用期間も数年以内の使用を前提としたものです。 このため、強度の点から取れてしまうことがあります。 グラグラして取れそうなときは、早めに歯科医院で見てもらってください。外科処置が必要
普通のインプラントほどではなく、簡単な処置なのですが、アンカースクリューを埋め込む外科処置が必要です。 局所麻酔がさめるまで2時間ほどありますので、その間は食べないようにしてください。 術後に処方される薬は、説明通りに飲むようにしてください。除去も必要
普通のインプラントは基本的に取り除くことはありませんが、アンカースクリューは治療が終われば、役目も終わりなので取り除きます。治療を受けられない方
子どもはアンカースクリュー治療の適用外です。15歳以下のお子さんは、アンカースクリューが定着しないことが多く、子どもさんの治療には使えません。治療について
アンカースクリューは、それだけでは歯を移動させることができません。マルチブラケット矯正(ワイヤーを使った治療)などに組みわせて、歯並びを整えていきます。リスク・副作用
アンカースクリューには次のようなリスクがあります。
歯根への接触
アンカースクリューを設置する場所が歯に近いと、アンカースクリューが移動した歯根に当たってしまうということも考えられます。 歯の移動を想定して十分離れたところにアンカースクリューを設置すれば、歯根への接触は避けられるのでご安心ください。
アンカースクリューの脱落や破損
アンカースクリューは、安定せず取れてしまったり、折れてしまったりすることがあります。 破損しても簡単に取り除くことができますし、取れた場合でも再設置することも可能です。
アンカースクリューの周囲の腫れ
アンカースクリューにプラークや食べかすがついたままになっていると、アンカースクリューの周囲の歯肉が腫れることがあります。そのまま放置すると脱落してしまうことがあります。 ていねいにケアすれば、アンカースクリュー周囲の腫れは比較的簡単に解消できます。
舌触りの違和感
上顎の内側にアンカースクリューを設置した場合に多いのですが、慣れるまで舌が触れて違和感を感じることがあります。 アンカースクリューに慣れれば、違和感は感じなくなります。
治療の流れ
アンカースクリューを使った治療は次のような流れで行われます。
-
- 1問診
- まず、歯並びのどのような点が気になっているのかをお尋ねします。
また、現在治療中の病気がないか、過去に何らかの病気の治療を受けたことがないか、
麻酔をして気分が悪くなったことがないか、出血が止まりにくい病気はないか、
薬や食べ物にアレルギーがないかもお聞きします。
-
- 2検査
- 歯やお口の状態を検査して調べます。
レントゲン写真を撮影したり、歯型をとって歯の模型を作ったりします。
-
- 3診断と治療方針の決定
- 歯列不正のタイプを診断し、それに基づいた治療方針を決めます。
治療方針や治療費などに同意をいただければ治療開始です。
-
- 4矯正装置の装着
- まず、通常の装置を歯につけます。
-
- 5アンカースクリューの設置
- 局所麻酔をしてから、歯肉に位置を記します。
そして、アンカースクリューを専用のドライバーを使って入れます。
レントゲン写真を撮影して位置を確認します。
-
- 6アンカースクリューの除去
- 治療計画通りに歯が移動したら、アンカースクリューを除去します。
治療後の注意点
アンカースクリューを設置した後の注意点は次のとおりです。

きれいにする
アンカースクリューは食べ物が引っかかったり、プラークがついたりしやすいです。
アンカースクリューが汚れたままになっていると、その周囲の歯肉が腫れるだけでなく、骨に感染を起こしアンカースクリューが取れる原因にもなります。
アンカースクリューを使う場合は、普通の治療以上にお口をきれいに保つようにしなくてはなりません。

装置を正しく使う
アンカースクリューは、優れた装置ですが、それを設置しただけでは歯並びは整えられません。
エラスティックとよばれるゴムなどをかけて引っ張らなければ、歯は移動しません。
エラスティックなどの器具を忘れず必ずつけるようにするなど、装置を正しく使うことを忘れないようにしてください。
アンカースクリュー矯正の相談事例集
アンカースクリューの植立(埋め込み)は痛いですか?
局所麻酔を使用するため、植立時の痛みはほとんどありません。見た目は痛々しく見えますが、実際の痛みは最小限です。
アンカースクリュー(矯正用インプラント)は、歯茎に小さなネジのような装置を埋め込む処置です。麻酔をしっかり効かせてから行うため、植立中の痛みはほとんど感じません。処置時間も10~15分程度と短時間で終わります。
植立後は、麻酔が切れてから多少の違和感や鈍い痛みを感じることがありますが、通常は市販の鎮痛剤で対応できる程度です。痛みは2~3日でほとんどなくなります。口内炎ができることもありますが、専用のワックスで保護することで快適に過ごせます。
アンカースクリューは非常に小さく(直径1~2mm程度)、頭の部分だけが歯茎から出ている状態になります。見た目は気になるかもしれませんが、痛みや日常生活への影響は少ないです。植立後の注意事項を守っていただければ、問題なく過ごせますのでご安心ください。
アンカースクリューが外れることはありますか?
適切に管理すれば95%以上の成功率ですが、稀に脱落することがあります。脱落した場合は、再度植立することができます。
アンカースクリューは骨に埋め込まれ、骨との結合(オッセオインテグレーション)によって固定されます。適切な位置に植立され、口腔内を清潔に保ち、過度な力がかからなければ、ほとんどの場合は問題なく機能します。成功率は95%以上と高い治療法です。
脱落する原因としては、(1)植立位置の骨質が不良だった、(2)感染が起きた、(3)過度な力がかかった、(4)清掃不良により炎症が起きた、などが考えられます。特に植立直後の2週間は骨との結合が不十分なため、注意が必要です。
万が一脱落した場合でも、再度別の位置に植立することができます。脱落自体は治療の失敗ではなく、位置を変えて再植立することで治療を続行できます。脱落を防ぐために、口腔内を清潔に保ち、担当医の指示に従った管理を行うことが重要です。
アンカースクリューを使うと治療期間はどの程度短縮されますか?
症例により異なりますが、従来の治療の約半分の期間で完了する場合があります。効率的な歯の移動が可能になるためです。
従来の矯正治療では、歯を動かす際に他の歯を固定源(アンカー)として利用していました。しかし、この方法では固定源となる歯も多少動いてしまうため、治療に時間がかかっていました。アンカースクリューを使用すると、骨に直接固定された絶対的な固定源が得られるため、目的の歯だけを効率的に動かすことができます。
例えば、前歯を後方に引っ込める治療では、従来は奥歯を固定源としていましたが、奥歯も前方に引っ張られてしまいました。アンカースクリューを使用すれば、奥歯を動かさずに前歯だけを効率的に後方移動できるため、治療期間が大幅に短縮されます。
治療期間の短縮効果は症例によって異なりますが、出っ歯や八重歯の治療、抜歯後のスペース閉鎖などで特に効果を発揮します。具体的な短縮期間については、診断時に詳しくご説明します。
アンカースクリューの除去時に痛みはありますか?
除去時は麻酔も不要で、数秒で除去できるため痛みはほとんどありません。植立時よりもさらに簡単な処置です。
アンカースクリューは治療終了後に除去しますが、この処置は非常に簡単です。骨との完全な結合(オッセオインテグレーション)を意図的に避けて植立しているため、ドライバーで回すだけで簡単に外れます。処置時間は数秒から数十秒程度です。
多くの場合、麻酔なしで除去できるほど痛みが少ないです。患者さんからは「こんなに簡単に外れるの?」と驚かれることが多いです。除去後は小さな穴が残りますが、数日で自然に塞がり、痕も残りません。
除去後の痛みもほとんどなく、通常は鎮痛剤も必要ありません。除去当日から普通に食事ができます。植立時よりも除去時の方が簡単で痛みも少ないため、安心して治療を受けていただけます。治療終了時に不要になれば速やかに除去しますので、体内に残ることはありません。
金属アレルギーでもアンカースクリューは使用できますか?
アンカースクリューはチタン製のため、金属アレルギーの心配はほとんどありません。チタンは非常に安全性の高い材料です。
チタンは生体親和性が非常に高く、アレルギー反応を起こすことがほとんどない金属として知られています。人工関節や歯科インプラントなど、体内に埋め込む医療器具として広く使用されており、長年の実績があります。金属アレルギーを持つ方でも、チタンに対してはアレルギー反応を示すことは極めて稀です。
ただし、非常に稀ではありますが、チタンアレルギーの方もいらっしゃいます。金属アレルギーの既往がある方は、事前にパッチテストを受けることをおすすめします。心配な場合は、治療開始前に皮膚科や歯科大学付属病院などで金属アレルギー検査を受けることができます。
矯正装置のブラケットやワイヤーにもチタン製のものがありますので、金属アレルギーが心配な方には、トータルでチタン製の装置を使用した治療をご提案できます。安全性の高い治療法ですので、ご安心ください。
アンカースクリューの周りはどのように清掃すればいいですか?
専用の清掃器具と方法を詳しくご指導いたします。適切な清掃により、感染や炎症を防ぐことができます。
アンカースクリューの周囲を清潔に保つことは、脱落を防ぎ、治療を成功させるために非常に重要です。清掃が不十分だと、スクリュー周囲に食べかすや歯垢が溜まり、炎症を起こして脱落の原因になります。
清掃方法としては、柔らかい歯ブラシでスクリュー周囲を優しく磨きます。特にスクリューの頭の部分と歯茎の境目を丁寧に磨くことが重要です。また、歯間ブラシやワンタフトブラシ(毛束が一つの小さな歯ブラシ)を使用すると、より効果的に清掃できます。うがい薬や洗口液の使用もおすすめです。
植立直後は特に丁寧な清掃が必要ですが、強く磨きすぎるとスクリューに力がかかってしまうため、優しく磨くことがポイントです。具体的な清掃方法は、植立時に実際に器具をお渡しして、丁寧に指導させていただきます。定期的なチェックで清掃状態を確認しますので、ご安心ください。
アンカースクリュー植立後、すぐに矯正力をかけられますか?
通常1~2週間の治癒期間を設けてから矯正力をかけ始めます。この期間にスクリューと骨の結合が安定します。
アンカースクリューを植立した直後は、まだ骨との結合が不十分な状態です。すぐに強い力をかけるとスクリューが動いてしまったり、脱落したりする可能性があります。そのため、植立後1~2週間は治癒期間として、スクリューに力をかけずに骨との結合が安定するのを待ちます。
この期間中は、スクリュー周囲の清掃を丁寧に行い、口腔内を清潔に保つことが重要です。また、硬い食べ物を噛んだり、スクリュー部分を舌や指で触ったりしないように注意してください。
1~2週間後、スクリューの安定性を確認してから、ゴムやスプリング、ワイヤーなどを使用して矯正力をかけ始めます。最初は弱い力から始めて、徐々に力を調整していきます。治癒期間の長さは、植立部位の骨の状態や個人差によって異なりますので、担当医の指示に従ってください。適切な治癒期間を設けることで、スクリューの成功率が高まります。
アンカースクリューは何本植立する必要がありますか?
症例により1~4本程度で、必要最小限の本数で治療します。歯の移動方向や量によって本数が決まります。
アンカースクリューの本数は、治療内容によって異なります。片側だけの歯を動かす場合は1本、上下の前歯を後方に引っ込める場合は上顎に2本、複雑な移動が必要な場合は上下合わせて4本程度使用することがあります。必要最小限の本数で最大の効果が得られるように治療計画を立てます。
例えば、出っ歯の治療で前歯を後方移動させる場合、上顎の左右に1本ずつ、合計2本のスクリューを使用することが一般的です。八重歯の治療で犬歯を下方移動させる場合は、1本のスクリューで対応できることもあります。
植立本数が多いほど効果が高いというわけではなく、適切な位置に必要な本数を植立することが重要です。また、万が一1本が脱落した場合でも、他のスクリューで治療を継続できるように計画することもあります。具体的な本数と位置については、診断時にレントゲンや模型をもとに詳しくご説明します。患者さんの負担を最小限にしながら、最大の治療効果が得られるように計画します。
子供でもアンカースクリューは使用できますか?
成長期では骨の成長に影響する可能性があるため、基本的には成人に適用します。永久歯が生え揃った高校生以降であれば使用可能です。
アンカースクリューは骨に埋め込む装置のため、骨が活発に成長している時期に使用すると、骨の成長を妨げたり、成長方向に影響を与えたりする可能性があります。そのため、一般的には骨の成長がほぼ完了した成人(18歳以降)に使用することが推奨されています。
ただし、永久歯が生え揃い、顎の成長がほぼ完了している高校生(15~16歳以降)であれば、症例によっては使用できる場合もあります。成長期のお子さんの場合は、従来の矯正方法や成長を利用した治療法を優先します。
子供の矯正治療では、ヘッドギアや拡大装置など、成長を利用した装置を使用することで、アンカースクリューを使わなくても効果的な治療が可能です。年齢や成長段階、治療内容によって最適な方法が異なりますので、お子さんの矯正治療については、まず診察を受けて、成長段階に適した治療法を相談することをおすすめします。
アンカースクリューを使用するメリットは何ですか?
従来の矯正治療では難しかった歯の移動が可能になり、治療期間の短縮や治療結果の向上が期待できます。
アンカースクリューの最大のメリットは、絶対的な固定源が得られることです。従来は他の歯を固定源として使っていたため、動かしたくない歯も多少動いてしまい、治療効果が限定的でした。アンカースクリューを使用すると、骨に直接固定されるため、目的の歯だけを効率的に動かすことができます。
具体的なメリットとしては、(1)治療期間の短縮、(2)抜歯をせずに治療できる可能性の向上、(3)難症例への対応、(4)出っ歯の効果的な改善、(5)奥歯の挺出(引き上げ)や圧下(押し下げ)など複雑な移動が可能、などがあります。
特に出っ歯の治療や、歯を大きく移動させる必要がある症例で効果を発揮します。また、以前は外科手術が必要だった症例でも、アンカースクリューを使用することで矯正治療のみで対応できるケースが増えています。より精密で効率的な治療が可能になる画期的な方法です。
