部分矯正 | 新宿の矯正歯科

部分矯正 PARTIAL CORRECTION

部分矯正のイメージ

効果的な歯並び改善の選択肢

部分矯正とは

部分矯正は、歯並びや噛み合わせの問題がある特定の部分にのみ焦点を当てた治療法です。
全体的な歯列矯正とは異なり、問題のある箇所だけに装置を装着して治療を行います。
この方法は、軽度から中程度の歯列不正に対して効果的であり、特に前歯部分の治療に適しています。

全体的な歯列や咬合の問題ではなく、特定の歯や部分的な歯列の問題を改善することを目的としています。
例えば、前歯のわずかなずれや隙間、軽度の出っ歯などが対象となります。この治療法は、全体矯正と比較して治療期間が短く、費用も抑えられる傾向にあるため、多くの患者さんにとって魅力的な選択肢となっています。

部分矯正のメリット

以下のようなメリットがあります。

  • 治療期間の短縮全体矯正に比べて短期間で効果が得られやすい。通常、6ヶ月から1年程度で目に見える改善が期待できます。
  • コスト削減治療範囲が限定されるため、費用を抑えられる可能性があります。一般的に、半分程度の費用で済むケースも多いです。
  • 日常生活への影響が少ない装置の装着範囲が限られているため、発音や食事への影響が少なくなります。特に、社会人や人前で話す機会の多い方にとっては大きなメリットとなります。
  • 目立ちにくい前歯部分のみの治療の場合、透明な装置や裏側矯正など、目立ちにくい装置を選択できます。これにより、治療中も自信を持って笑顔でいられます。
  • 即効性特定の部分に集中して治療するため、比較的早く目に見える効果が得られやすいです。これは患者さんのモチベーション維持にも役立ちます。
  • 全体矯正への移行が容易将来的に全体矯正が必要になった場合でも、部分矯正で改善された状態から始められるため、全体的な治療期間を短縮できる可能性があります。

治療方法

以下のような治療方法があります:

  • 1.表側矯正 歯の表面にブラケットを装着する従来の方法を、必要な歯にのみ適用します。
    この方法は、広範囲の調整が可能で、複雑な歯の移動にも対応できます。
    最新の装置では、歯の色に近い半透明のブラケットを使用することで、見た目への影響を最小限に抑えることができます。
  • 2.裏側矯正(舌側矯正) 歯の裏側にブラケットを装着する方法で、外見上の配慮が必要な場合に選択されます。
    この方法は、表側からは装置が見えないため、審美性を重視する方に人気です。ただし、舌への刺激や発音への影響が一時的に生じる可能性があるため、適応に時間がかかる場合があります。
  • 3.マウスピース 透明なマウスピースを使用する方法で、軽度の歯列不正に適しています。着脱が可能で目立ちにくいのが特徴です。
    2週間ごとにマウスピースを交換しながら、少しずつ歯を移動させていきます。食事や歯磨き時に外せるため、口腔衛生の管理が比較的容易です。
  • 4.矯正用インプラントを使用した治療 歯を移動させるためのアンカーとしてミニインプラントを使用する方法です。複雑な歯の移動が必要な場合に選択されることがあります。
    この方法は、周囲の歯に負担をかけずに特定の歯を効果的に移動させることができるため、部分矯正の可能性を広げています。

部分矯正に適した症例

以下のような症例に適しています。

  • 軽度のデコボコ(叢生)前歯部分の軽度な重なりや、わずかなずれを改善したい場合
  • すきっ歯(歯間空隙)前歯の間に軽度な隙間がある場合
  • 軽度の出っ歯(上顎前突)上の前歯がわずかに前に出ている場合
  • 軽度の受け口(下顎前突)下の前歯がわずかに前に出ている場合
  • インプラント治療前の歯列調整インプラント埋入のために隣接する歯の位置を調整する必要がある場合
  • 過去に全体矯正を受けた後の再治療全体矯正後に一部の歯が若干移動してしまった場合
  • 特定の歯の傾きや回転1本または数本の歯が傾いていたり、回転している場合
  • 前歯の被蓋改善上下の前歯の噛み合わせを改善したい場合

これらの症例では、効果的かつ効率的に歯並びを改善できる可能性が高いです。
ただし、個々の症例によって最適な治療法は異なるため、詳細な診断と治療計画の立案が重要です。

比較

部分矯正と全体矯正の主な違いは以下の通りです:

特徴 部分矯正 全体矯正
治療範囲 特定の部分(主に前歯部) 全ての歯
治療期間 通常6ヶ月〜1年 通常1〜3年
費用 比較的安価 高額
適応症例 軽度〜中度の部分的な歯列不正 中度〜重度の歯列不正、咬合異常
咬合改善 限定的 全体的な改善が可能
装置の種類 限定的(主に前歯部のみ) 多様(全ての歯に装着)
日常生活への影響 比較的少ない より大きい
治療後の安定性 やや劣る場合がある 一般的に高い

この比較表から分かるように、特定の症例に対して効率的な解決策を提供しますが、全体的な咬合の改善や複雑な歯列不正の修正には限界があります。治療法の選択は、個々の症状や希望する結果、生活スタイルなどを総合的に考慮して行う必要があります。

部分矯正を検討する際の注意点

検討する際は、以下の点に注意が必要です。

  • ・適用範囲が限られているため、すべての症例に適用できるわけではありません。複雑な咬合異常や重度の歯列不正の場合、全体矯正が必要となる可能性があります。
  • ・歯を動かすためのスペースが必要なため、周囲の歯を削る必要がある場合があります。これは、エナメル質の減少につながる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
  • ・全体的な咬合(かみ合わせ)の改善には限界があります。部分矯正では前歯部分の見た目は改善できても、奥歯の噛み合わせまでは調整できない場合があります。
  • ・治療後の安定性が全体矯正と比べて劣る場合があります。部分的な調整のため、周囲の歯からの力で治療結果が元に戻りやすくなる可能性があります。
  • ・将来的に全体矯正が必要になる可能性があります。部分矯正で改善しても、年齢とともに歯列が変化し、再度治療が必要になることがあります。
  • ・保険適用外の治療となるため、費用は全額自己負担となります。ただし、比較すると費用は抑えられる傾向にあります。
  • ・治療期間中は定期的な通院が必要です。通常1〜2ヶ月ごとの調整が必要となるため、時間的な制約を考慮する必要があります。

これらの注意点を十分に理解し、歯科医師と相談しながら治療を進めることが重要です。多くの利点がありますが、個々の症例に最適な治療法であるかを慎重に判断する必要があります。

費用

費用は症例や治療方法によって大きく異なりますが、一般的に全体矯正よりも安価です。
おおよその費用の目安は以下の通りです。

《表側矯正:15万円〜50万円》

軽度の症例(3〜4本の歯) 15万円〜25万円
中程度の症例(5〜6本の歯) 25万円〜40万円
比較的複雑な症例 40万円〜50万円

《裏側矯正:20万円〜70万円》

軽度の症例 20万円〜35万円
中程度の症例 35万円〜55万円
比較的複雑な症例 55万円〜70万円

《マウスピース矯正:20万円〜60万円》

軽度の症例(5組程度のマウスピース) 20万円〜30万円
中程度の症例(10組程度のマウスピース) 30万円〜45万円
比較的複雑な症例(15組以上のマウスピース) 45万円〜60万円

ただし、これらは参考値であり、実際の費用は歯科医院や治療内容によって異なります。
また、以下のような追加費用が発生する可能性もあります。

初診料・検査料 5,000円〜15,000円
レントゲン撮影費 5,000円〜10,000円
型採取・分析費 10,000円〜20,000円
保定装置費 30,000円〜50,000円

多くの歯科医院では分割払いのオプションを提供しているため、一括で支払うのが困難な場合はこのような支払い方法を検討することもできます。また、医療ローンを利用できる場合もあります。

詳細な見積もりは、歯科医院での診察後に得られます。費用面で不安がある場合は、複数の医院で相談し、比較検討することをおすすめします。ただし、単に費用の安さだけでなく、医師の経験や技術、使用する装置の品質なども考慮に入れることが重要です。

治療期間

治療期間は、症例の複雑さや治療方法によって異なりますが、一般的に以下の範囲内に収まることが多いです。

  • 《軽度の症例:3〜6ヶ月》
    • ・1〜2本の歯の軽微な移動
    • ・小さな隙間の閉鎖
    • ・軽度の歯の回転の修正
  • 《中程度の症例:6ヶ月〜1年》
    • ・3〜4本の歯の移動
    • ・中程度の隙間の閉鎖
    • ・軽度の出っ歯や受け口の修正
  • 《複雑な症例:1年〜1年半》
    • ・5本以上の歯の移動
    • ・複数の問題を同時に修正する場合
    • ・より大きな歯の移動が必要な場合

治療期間は個人差が大きいため、正確な期間は歯科医師との相談で決定されます。
以下の要因が治療期間に影響を与える可能性があります。

  • 年齢若い患者の方が歯の移動が早い傾向にあります。
  • 歯の健康状態歯周病などの問題がある場合、治療に時間がかかる可能性があります。
  • 患者の協力度装置の着用時間や指示の遵守が重要です。
  • 生物学的な個人差歯の移動スピードには個人差があります。
  • 治療方法使用する装置によって治療期間が異なる場合があります。

治療の進捗状況に応じて、当初の予定よりも治療期間が延長されたり、短縮されたりすることがあります。
定期的な通院と歯科医師との綿密なコミュニケーションが、効果的な治療と適切な期間管理につながります。

よくある質問

痛みを伴いますか?

全体矯正と同様に、装置装着直後や調整後に軽い圧迫感や違和感を感じることがありますが、通常数日で慣れます。痛みの程度は個人差がありますが、多くの場合、市販の鎮痛剤で対処できる程度です。持続的な強い痛みがある場合は、担当医に相談することが重要です。

治療後に歯が元に戻ることはありますか?

リテーナー(保定装置)を適切に使用することで、治療結果を維持できます。ただし、全体矯正と比べると若干安定性が劣る場合があります。
リテーナーの使用期間や頻度は個々の症例によって異なりますが、多くの場合、治療終了後の数ヶ月間は終日装着し、その後徐々に夜間のみの装着に移行していきます。長期的な安定性を保つために、歯科医師の指示に従ってリテーナーを使用することが非常に重要です。

治療中に食事制限はありますか?

装置の種類によって異なりますが、一般的に硬いものや粘着性の高い食品は避けることが推奨されます。
特に注意が必要な食品には以下のようなものがあります。

  • ・固いナッツ類
  • ・硬いキャンディーや飴
  • ・コーンの芯
  • ・固いクラッカーやチップス
  • ・粘着性の高いキャラメルやグミ
マウスピースの場合は、食事時に装置を外すため食事制限は少なくなります。
ただし、装置を外している時間は1日2時間以内に抑えることが推奨されているため、頻繁な間食は避けるべきです。
また、飲み物に関しては、マウスピースを装着したままで水以外の飲み物を摂取すると、虫歯のリスクが高まるため注意が必要です。
年齢制限がありますか?

厳密な年齢制限はありません。子供から高齢者まで、歯の健康状態が良好であれば治療を受けることができます。
ただし、以下の点に注意が必要です。

  • ・子供の場合
    永久歯が生えそろう時期(通常12〜13歳頃)まで待つことが一般的です。
  • ・高齢者の場合
    骨密度の低下や歯周病のリスクが高まるため、より慎重な治療計画が必要になることがあります。
年齢に関わらず、個々の口腔内の状態や全身の健康状態を考慮して、適切な治療計画を立てることが重要です。
治療中でも歯のホワイトニングはできますか?

基本的には可能ですが、装置の種類や治療の段階によって適切な時期や方法が異なります。
以下のポイントを考慮する必要があります。

  • ・ワイヤー矯正の場合
    ブラケットの周りの部分が白くならない可能性があるため、治療終了後にホワイトニングを行うことが推奨されます。
  • ・マウスピース矯正の場合
    マウスピースを利用してホワイトニングジェルを塗布する方法もありますが、歯科医師と相談の上で行うべきです。
部分矯正の範囲外の治療中でもホワイトニングが可能ですが、色ムラが生じる可能性があります。
ホワイトニングを希望する場合は、事前に担当医に相談し、最適なタイミングと方法を決定することが重要です。

まとめ:最適な方法の選択

部分矯正は、特定の歯列問題に対して効果的かつ効率的な解決策を提供する可能性があります。
しかし、すべての症例に適しているわけではありません。最適な治療方法を選択するためには、以下の点を考慮することが重要です。

  • 《症状の程度と範囲》軽度から中程度の部分的な歯列不正が部分矯正の適応となります。重度の不正咬合や全体的な歯列の問題がある場合は、全体矯正がより適切な選択肢となる可能性があります。
  • 《希望する治療期間と予算》一般的に全体矯正よりも短期間で完了し、費用も抑えられる傾向にあります。時間的・金銭的な制約がある場合は、魅力的な選択肢となるかもしれません。
  • 《生活スタイルと審美性への要求》社会人や人前で話す機会の多い方にとっては、目立ちにくい装置を使用できる部分矯正が適している場合があります。特に前歯部分の改善を重視する場合は、十分な効果が得られる可能性があります。
  • 《長期的な歯列と咬合の安定性》部分矯正は全体的な咬合の改善には限界があるため、将来的に再治療が必要になる可能性があります。長期的な安定性を重視する場合は、全体矯正を検討する必要があるかもしれません。
  • 《口腔の健康状態》歯周病などの問題がある場合、それらの治療を優先する必要があります。また、全体的な口腔の健康状態によっては、部分矯正よりも包括的なアプローチが必要となる場合があります。
  • 《年齢と成長段階》若年者の場合、顎の成長が完了していない可能性があるため、将来的な変化を考慮した治療計画が必要です。一方、成人や高齢者の場合は、骨密度や歯周組織の状態を考慮する必要があります。
  • 《過去の歯科治療歴》クラウンやブリッジなどの修復物がある場合、それらとの調和を考慮した治療計画が必要です。

最終的な判断は、経験豊富な歯科医との詳細な相談を通じて行うことが推奨されます。
部分矯正か全体矯正か、あるいは他の治療オプションかを慎重に検討し、個々の状況に最も適した方法を選択することが、満足度の高い治療結果につながります。

また、治療を開始する前に、以下の点について歯科医師とよく話し合うことが重要です。

  • ・期待される治療結果と限界
  • ・治療期間の見込みと通院頻度
  • ・治療中および治療後のケア方法
  • ・費用と支払い方法の選択肢
  • ・治療後の保定期間と方法

多くの患者さんにとって魅力的な選択肢ですが、個々の状況や目標に応じて最適な治療法が異なることを理解することが大切です。
十分な情報を得た上で決定を下すことで、より満足度の高い治療結果を得られる可能性が高まります。

当院の症例

  • 治療前
  • 治療後
治療前
矢印
治療後
治療前
矢印
治療後
  • 患者さま情報

    26歳 女性

  • 主訴

    歯茎が気になる。

  • 症状

    過蓋咬合、下顎の中切歯2本先天欠如と上顎小臼歯の欠損を伴う上顎前突。

  • 治療期間

    1年2ヶ月

  • 治療費

    82.5万円(税込み)

  • 治療詳細

    上顎だけの治療で、舌側だけの治療を希望されていたため、上顎のみのリンガルアプライアンスを行い、ガミースマイルの改善のためTADを使用した。

  • 治療回数

    42回

  • 抜歯部位

    無し 0本

  • 治療におけるリスク・副作用

    ※歯を移動させる時、違和感や痛みが数日~1週間ほど出ます。感じ方には個人差があります。
    ※歯が移動する速さには個人差があります。早く移動する人もいればゆっくりな人もいます。
    ※矯正装置が装着されるといつもより歯磨きが難しくなります。
    ※毎日、丁寧に装置の清掃をする必要があります。
    ※清掃不十分な場合、虫歯や歯周疾患に罹患することがあります。多数の虫歯や歯周病の進行が認められた場合、治療をして中断・中止することがあります。
    ※歯が移動するとき(個人差がありますが)不可避的に歯の根が短くなることがあります(歯根吸収)。
    ※治療中あるいは治療後に顎の関節に何らかの症状があらわれることがあります。
    ※著しい叢生部分や歯肉炎や歯周病に罹患した部分、歯牙の欠損がある部分は歯肉退縮することがあります。
    ※動的治療が終了した後は、保定装置を使用する必要があります。指示通り使用できない場合は後戻りや予想のできない歯牙移動が起こることがあります。

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