開咬矯正 | 新宿の矯正歯科

習癖(くせ)の改善と適切な治療により、ほとんどの症例で改善可能です。ただし、患者さまの協力が非常に重要です。

開咬(奥歯を噛んでも前歯が噛み合わない状態)の原因は、(1)舌で前歯を押す癖(舌癖)、(2)指しゃぶり、(3)口呼吸、(4)異常嚥下癖(飲み込む時に舌を前に出す癖)、(5)骨格的な問題、などがあります。これらの原因に対して適切に対処することで、開咬は改善できます。

習癖が原因の開咬の場合、矯正治療だけでなく、MFT(口腔筋機能療法)という舌のトレーニングを併用します。毎日のトレーニングを継続することで、舌の正しい位置や飲み込み方を身につけます。骨格的な問題が大きい場合は、外科矯正治療が必要になることもあります。

治療の成功には、患者さまの協力が不可欠です。装置の使用、舌のトレーニング、口呼吸の改善などを根気よく続けることが重要です。担当医の指示に従い、一緒に治療のゴールを目指しましょう。まずは精密検査を受けて、開咬の原因を特定することをおすすめします。

症例により異なりますが、動的治療期間は2~4年程度です。習癖の改善状況により期間が変わります。

開咬の治療期間は、開咬の程度、原因、年齢、習癖の改善状況などによって大きく異なります。軽度から中等度の開咬で、習癖の改善が順調に進んだ場合は、2~3年程度で治療が完了することが多いです。重度の開咬や、骨格的な問題が大きい場合は、3~4年程度かかることがあります。

開咬の治療で最も重要なのは、習癖の改善です。舌癖や指しゃぶり、口呼吸などの癖が残っていると、歯を並べても再び開咬になってしまいます。そのため、治療開始と同時に、MFT(口腔筋機能療法)などで習癖の改善に取り組みます。習癖の改善には数ヶ月~1年以上かかることがあり、これが治療期間全体に影響します。

子供の場合、成長を利用した治療が可能で、比較的短期間で改善することもあります。成人の場合は、習癖の改善により時間がかかることがあります。具体的な治療期間については、精密検査を行った後に詳しくご説明します。

専門的な指導により舌癖は改善可能です。ただし、患者さまの意識的な努力と継続的な練習が必要です。

舌癖とは、無意識のうちに舌で前歯を押したり、飲み込む時に舌を前に出したりする癖のことです。長年の習慣となっているため、簡単には治りませんが、MFT(口腔筋機能療法)という専門的なトレーニングにより改善できます。

MFTでは、(1)正しい舌の安静位置(上顎に軽く触れている状態)を覚える、(2)正しい飲み込み方を練習する、(3)舌の筋力を強化する、などのトレーニングを行います。毎日5~10分程度の練習を数ヶ月~1年以上続けることで、新しい習慣が身につきます。

舌癖の改善には、患者さま自身の意識と努力が不可欠です。無意識の癖を意識的にコントロールし、新しい習慣を作る必要があります。最初は難しく感じるかもしれませんが、継続することで徐々に慣れてきます。担当医や歯科衛生士が定期的にチェックし、適切な指導を行いますので、一緒に頑張りましょう。舌癖が改善されれば、開咬の再発を防ぐことができます。

装置装着時や調整後に軽度の痛みがありますが、開咬の治療では比較的痛みは少ない傾向があります。

矯正治療では、歯に力をかけて移動させるため、装置装着直後や調整後に痛みや違和感を感じることがあります。ただし、開咬の治療では、前歯を垂直方向に移動させることが中心となるため、抜歯スペースに歯を移動させる治療に比べて、痛みは比較的軽微です。

痛みの感じ方には個人差がありますが、一般的には装置装着後2~3日程度で軽減していきます。この期間は、柔らかい食事を選ぶことをおすすめします。市販の鎮痛剤を使用することもできますが、多くの方は鎮痛剤なしでも耐えられる程度の痛みです。

また、開咬の治療では、奥歯に咬合挙上装置(奥歯の噛み合わせを高くする装置)を使用することがあります。この装置に慣れるまでは違和感がありますが、1~2週間で慣れてきます。痛みが強い場合や長期間続く場合は、装置の調整が必要な可能性がありますので、担当医に相談してください。開咬の治療は、比較的痛みが少なく、身体的な負担も少ない治療です。

年齢に関係なく治療可能です。ただし、成人の場合は習癖の改善がより重要になります。

矯正治療は、歯と歯茎が健康であれば何歳からでも可能です。成人の方でも、開咬を改善して正常な噛み合わせと美しい笑顔を獲得できます。開咬により、前歯で食べ物を噛み切れない、発音がしにくいなどの問題がある場合、治療によりこれらの問題が改善されます。

ただし、成人の場合、子供に比べて習癖の改善に時間がかかることがあります。長年続いた舌癖や口呼吸などの癖は、無意識のうちに行っているため、意識的に改善するのに根気が必要です。MFT(口腔筋機能療法)を継続的に行い、新しい習慣を身につけることが重要です。

骨格的な問題が大きい場合は、外科矯正治療が必要になることもあります。成人の場合、骨の代謝が緩やかなため、歯の移動に時間がかかることがありますが、治療結果に大きな差はありません。何歳からでも、コンプレックスを解消して健康な噛み合わせを手に入れることは可能ですので、諦めずにご相談ください。

4歳を過ぎても指しゃぶりが続く場合は、早期の相談をお勧めします。適切な時期の介入が重要です。

指しゃぶりは、赤ちゃんの時期(0~2歳頃)は正常な行動です。しかし、3~4歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、開咬の原因になります。指で前歯を押す力が常にかかるため、前歯が噛み合わなくなってしまいます。また、上顎が狭くなったり、出っ歯になったりすることもあります。

4歳頃までに指しゃぶりをやめることができれば、多くの場合、歯並びは自然に改善します。しかし、4歳を過ぎても続く場合は、早めに矯正専門医に相談することをおすすめします。指しゃぶりをやめる方法について、専門的なアドバイスを受けることができます。

指しゃぶりの原因としては、(1)不安やストレス、(2)退屈、(3)眠い時の習慣、などがあります。お子さんの心理状態に配慮しながら、優しく声をかけたり、手を使う遊びを増やしたりすることで、自然にやめられることもあります。無理にやめさせようとすると、かえってストレスになることがあるため、専門家のアドバイスを受けながら対応することが大切です。

軽度の開咬であれば裏側矯正やマウスピース型矯正が可能ですが、重度の場合は通常の表側装置が適しています。

軽度から中等度の開咬で、習癖の改善が順調に進んでいる場合は、裏側矯正やマウスピース型矯正での治療が可能な場合があります。特に、マウスピース型矯正は、装置自体が奥歯を噛んだ時に前歯が噛み合わないようにする効果(咬合挙上効果)があるため、開咬の治療に適していることがあります。

ただし、重度の開咬や、骨格的な問題が大きい場合は、通常の表側装置を使用することが多いです。開咬の治療では、前歯を垂直方向に精密に動かす必要があり、複雑な歯のコントロールが求められるためです。また、奥歯に特殊な装置(咬合挙上装置)を使用することもあります。

見えない矯正が可能かどうかは、開咬の程度、原因、全体的な歯並びの状態などによって異なります。精密検査を行って、最適な治療法をご提案します。見た目が気になる場合は、裏側矯正を得意とする矯正専門医に相談することをおすすめします。まずは診察を受けて、ご自身の症例で見えない矯正が可能かどうかを確認しましょう。

骨格的な問題の程度により判断します。軽度から中等度であれば、矯正治療のみで改善可能です。

開咬には、(1)習癖が原因の「機能性開咬」と、(2)骨格が原因の「骨格性開咬」があります。機能性開咬や軽度の骨格性開咬であれば、矯正治療のみで改善できることが多いです。矯正治療では、前歯を垂直方向に移動させたり、奥歯を圧下(押し下げ)したりすることで、前歯の噛み合わせを改善します。

ただし、重度の骨格性開咬の場合は、矯正治療だけでは限界があり、外科矯正治療(顎矯正手術と矯正治療の組み合わせ)が必要になることがあります。骨格的な問題とは、上顎の骨が過度に成長している、下顎の骨が後方に回転しているなどの状態を指します。

手術が必要かどうかは、セファログラム(矯正用レントゲン)で顎の骨格を分析して判断します。外科矯正治療が必要な場合でも、健康保険が適用されますので、費用面での負担は軽減されます。まずは精密検査を受けて、ご自身の開咬のタイプと、手術の必要性について確認することをおすすめします。多くの症例は矯正治療のみで改善できますので、ご安心ください。

開咬は確かに後戻りしやすい症例です。ただし、習癖の改善と適切な保定により防ぐことができます。

開咬は、矯正治療後の後戻りが起こりやすい不正咬合の一つです。その理由は、(1)舌癖が残っていると、常に前歯に前方への力がかかる、(2)口呼吸が続くと、舌の位置が下がり開咬が再発する、(3)骨格的な成長パターンが変わらない、などがあります。

後戻りを防ぐためには、(1)舌癖の完全な改善、(2)口呼吸から鼻呼吸への変更、(3)保定装置(リテーナー)の適切な使用、(4)定期的なチェック、が重要です。特に、MFT(口腔筋機能療法)で正しい舌の位置や飲み込み方を身につけることが最も重要です。癖が改善されないと、いくら保定装置を使用しても後戻りしてしまう可能性があります。

保定装置は、治療終了後、最初の1~2年は1日中(食事と歯磨き以外)装着し、その後は夜間のみの装着に移行するのが一般的です。開咬の場合、保定期間は他の不正咬合より長くなることがあります。習癖の改善と保定装置の使用を継続することで、治療結果を長期的に維持することができます。

開咬には環境的要因(習癖)の影響が大きいですが、骨格的な要因が関与することもあります。

開咬の原因として最も多いのは、環境的要因、つまり習癖です。(1)舌癖(舌で前歯を押す癖)、(2)指しゃぶり、(3)口呼吸、(4)異常嚥下癖、などの後天的な要因により開咬になります。これらは遺伝とは関係なく、生活習慣や環境によって生じます。

ただし、骨格的な開咬の場合は、遺伝的要因が関与することがあります。顎の骨格の形や成長パターンは遺伝的に決まる部分があり、ご両親やご家族に開咬の方がいると、お子さんも骨格的に開咬になりやすい傾向があります。特に、ロングフェイス(縦に長い顔)の家系では、開咬になりやすいと言われています。

ご家族に開咬の方がいる場合でも、習癖に注意することで、開咬を予防したり、軽度に抑えたりすることができます。指しゃぶりを早めにやめる、鼻呼吸を習慣づける、舌の正しい位置を意識するなど、環境的要因に気をつけることが重要です。お子さんの歯並びや習癖が気になる場合は、早めに矯正専門医に相談することをおすすめします。

習癖による開咬は早期治療が有効です。4歳頃からの介入をお勧めします。

子供の開咬で、指しゃぶりや舌癖が原因の場合、早期に習癖を改善することで、開咬が自然に治ることがあります。4歳頃までに指しゃぶりをやめることができれば、多くの場合、歯並びは自然に改善します。しかし、4歳を過ぎても習癖が続く場合は、早めに矯正専門医に相談することをおすすめします。

早期治療では、(1)習癖の改善指導、(2)簡単な装置による習癖の抑制、(3)MFT(口腔筋機能療法)、などを行います。ムーシールドやタングガードなどの取り外し式装置を使用することで、舌癖や指しゃぶりを防ぎ、正常な歯並びへと誘導します。

永久歯が生え揃ってから(12~14歳頃)の治療も可能ですが、長年の習癖が定着してしまっているため、改善に時間がかかることがあります。早期に習癖を改善することで、開咬の進行を防ぎ、将来的な本格的な矯正治療を避けられる可能性が高まります。お子さんの開咬や習癖が気になる場合は、できるだけ早く矯正

専門医に相談しましょう。

正常な舌の位置と動きにより、発音機能は大幅に改善されます。

開咬の方は、前歯が噛み合わないため、特にサ行やタ行の発音がしにくいことがあります。これは、舌の位置や空気の流れが正常と異なるためです。また、舌癖がある場合、飲み込む時や話す時の舌の動きが異常になり、発音に影響が出ます。

矯正治療により前歯が噛み合うようになると、舌の位置が正常になり、空気の流れも改善されます。その結果、発音が明瞭になり、話しやすくなります。特に、サ行、タ行、ナ行などの発音が大幅に改善されることが多いです。

さらに、MFT(口腔筋機能療法)により、正しい舌の位置や動きを身につけることで、発音機能はより向上します。舌の筋力が強化され、繊細な動きができるようになるため、発音が一層明瞭になります。

ただし、治療中は一時的に発音しにくくなることがあります。装置を装着した直後は、装置に舌や唇が当たるため、違和感があります。しかし、数日~数週間で慣れてきます。最終的には、治療前よりも明瞭な発音が可能になりますので、安心して治療を受けてください。

硬い物や粘着性の高い食べ物は避けていただきます。これは一般的な矯正治療と同様の注意事項です。

矯正治療中は、装置が壊れたり外れたりするのを防ぐため、いくつかの食べ物を避ける必要があります。硬い食べ物(おせんべい、ナッツ類、氷、硬いパンなど)は、装置に強い力がかかるため控えてください。粘着性の高い食べ物(キャラメル、ガム、お餅など)は、装置に絡みついて取れにくくなったり、装置が外れたりする原因になります。

開咬の治療では、前歯で食べ物を噛み切ることが難しい場合があります。特に治療初期は、前歯がより噛み合わなくなることがあるため、食べ物を小さく切ってから食べるなどの工夫が必要です。奥歯で噛める食べ物を中心に選ぶとよいでしょう。

装置装着直後や調整後は、痛みがあるため、柔らかい食事(おかゆ、うどん、スープ、ヨーグルトなど)を選ぶことをおすすめします。徐々に慣れてきたら、通常の食事に戻すことができます。食事の制限は一時的なものですので、治療のために協力をお願いします。食べてはいけない食べ物のリストは、装置装着時に詳しくご説明します。

継続的な練習が必要ですが、専門的な指導により効率的に習得できます。毎日5~10分程度の練習で効果が得られます。

MFT(口腔筋機能療法)は、舌の正しい位置や動き、正しい飲み込み方を身につけるためのトレーニングです。具体的には、(1)舌の安静位置の練習(舌を上顎につける)、(2)舌の筋力強化、(3)正しい飲み込み方の練習、(4)口唇の閉鎖訓練、などを行います。

トレーニングは、1回5~10分程度を1日2~3回行います。最初は難しく感じるかもしれませんが、毎日続けることで徐々にできるようになります。担当医や歯科衛生士が、個々の患者さまに合わせたトレーニングメニューを作成し、丁寧に指導します。定期的なチェックで、正しくできているかを確認し、必要に応じてアドバイスを行います。

舌癖の改善には、数ヶ月~1年以上かかることがありますが、新しい習慣が身につけば、自然に正しい舌の位置や動きができるようになります。トレーニングは大変に感じるかもしれませんが、開咬の治療を成功させ、後戻りを防ぐために非常に重要です。担当医と二人三脚で、根気よく続けましょう。