裏側矯正で前歯の凸凹・交叉咬合を治療した症例|22歳女性

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裏側矯正で前歯の凸凹・交叉咬合を治療した症例|22歳女性

今回は、「前歯の凸凹が気になる」というお悩みで来院された22歳女性の裏側矯正症例をご紹介します。現行の症例記録では、叢生に加えて交叉咬合があり、下顎骨が左側にずれている状態が認められていました。

また、う蝕によって欠損している歯や不良補綴物も存在していました。本症例では上下顎にマルチブラケット装置を使用し、上顎にはリンガルアプライアンス(舌側矯正・裏側矯正)を採用しています。さらにTAD(歯科矯正用アンカースクリュー)を2本使用し、左上第一小臼歯と右下第一小臼歯の計2本を抜歯して治療を行いました。

動的治療期間は2年、治療回数は24回、治療費は126万5,000円(税込)です。このページでは、前歯の凸凹だけでなく、噛み合わせや既存の歯の状態も含めて治療を考える必要があった本症例について詳しく解説します。

この症例の概要

患者さまは22歳女性で、主訴は前歯の凸凹でした。症例記録では、交叉咬合を伴う叢生、下顎骨の左側へのずれ、う蝕による欠損歯、不良補綴物が記録されています。治療には上下のマルチブラケット装置を使用し、上顎はリンガルアプライアンス、固定源としてTADを2本使用しました。

抜歯部位は左上第一小臼歯と右下第一小臼歯の計2本です。動的治療期間は2年、治療回数は24回でした。歯並びだけでなく、噛み合わせや既存の欠損歯・補綴物も確認しながら治療計画を立てる必要がある症例でした。

項目内容
年齢・性別22歳・女性
主訴前歯の凸凹が気になる
症状交叉咬合を伴う叢生/下顎骨の左側へのずれ/欠損歯・不良補綴物あり
主な治療上下マルチブラケット装置/上顎リンガルアプライアンス
併用装置TAD 2本
抜歯左上第一小臼歯・右下第一小臼歯 計2本
動的治療期間2年0か月
治療回数24回
治療費126万5,000円(税込・当該症例治療時)

治療前後の写真

症例2 治療前の口元
治療前
症例2 治療後の口元
治療後
症例2 治療前の正面口腔内
治療前
症例2 治療後の正面口腔内
治療後
症例2 治療前の上顎歯列
治療前
症例2 治療後の上顎歯列
治療後
症例2 治療前の下顎歯列
治療前
症例2 治療後の下顎歯列
治療後

※症例写真は当該患者さまの治療前後を撮影したものです。治療結果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。

治療前の歯並びと前歯の凸凹

治療前の口腔内写真では、上下の前歯に重なりがあり、歯が一列に並ぶためのスペースが不足している状態が確認できます。歯が重なったり、歯列からずれて並んだりする状態は「叢生」と呼ばれます。叢生は見た目の問題だけでなく、歯と歯が重なった部分に歯ブラシが届きにくくなりやすく、日常のセルフケアが難しくなることがあります。

本症例では、単純な叢生だけではなく交叉咬合も伴っていました。前歯の凸凹を整える際には、見えている前歯だけを動かすのではなく、上下の歯列全体と噛み合わせを確認することが重要です。特に複数の問題が重なっている場合、矯正装置の種類だけではなく、どの歯をどの方向へ動かし、最終的にどのような噛み合わせを目指すかを考えて治療計画を立てます。

交叉咬合を伴う叢生とは

通常の噛み合わせでは、上の歯が下の歯より外側に位置する関係が基本となります。これが一部の歯で逆になっている状態を交叉咬合と呼びます。交叉咬合がある場合は、歯の傾きや位置だけでなく、上下の歯列の幅、顎の位置、左右差などを含めて確認する必要があります。

本症例の症例記録では、交叉咬合に加えて下顎骨が左側にずれている状態も記載されています。そのため、「前歯の凸凹をきれいに並べる」という見た目の改善だけではなく、上下の歯の位置関係を確認しながら治療を進める必要がありました。患者さま自身が気づいている主訴と、精密検査で確認される問題が必ずしも同じとは限りません。矯正治療では、本人が気にしている部分を尊重しつつ、噛み合わせ全体を評価することが大切です。

上顎に裏側矯正を使用した治療

本症例では上下顎にマルチブラケット装置を使用し、上顎には歯の裏側に装置をつけるリンガルアプライアンスを使用しました。裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす固定式のワイヤー矯正です。

装置が正面から見えにくいため、見た目に配慮しながら矯正治療を進められることが特徴です。上顎のみを裏側にし、下顎を表側にする方法は一般にハーフリンガル矯正と呼ばれます。ただし、装置の選択は見た目だけで決めるものではありません。

歯の位置、交叉咬合の程度、上下の噛み合わせ、装置同士の干渉などを確認し、治療に適した装置を選択します。また、裏側矯正は固定式のため、マウスピース矯正のように患者さま自身で取り外す必要がありませんが、歯磨きや食事には注意が必要です。

欠損歯・補綴物がある場合の矯正治療

本症例では、う蝕によって欠損している歯と不良補綴物があることが症例記録に記載されています。矯正治療を行う際には、現在残っている歯の位置だけでなく、欠損している歯、詰め物や被せ物の状態、虫歯や歯周病の有無なども確認する必要があります。

既存の補綴物があるから矯正治療ができないという意味ではありませんが、治療前後に補綴物の調整や再治療が必要になる場合もあります。また、欠損歯がある場合には、そのスペースをどのように扱うかによって歯の移動計画が変わります。本症例の詳細な補綴治療方針については現行の症例記録からは確認できないため、公開時には矯正治療と欠損歯・補綴物の関係について院長確認のうえ必要な範囲で追記するのが適切です。

左右で異なる部位を抜歯した症例

本症例では、左上第一小臼歯と右下第一小臼歯の計2本を抜歯しています。矯正治療の抜歯というと、上下左右で同じ位置の歯を対称に抜くイメージを持つ方もいますが、必ずしもそうとは限りません。歯の欠損、歯列の左右差、噛み合わせ、歯を動かすために必要なスペースなどを確認し、それぞれの症例に合わせて抜歯部位を検討します。

本症例では既存の欠損歯や補綴物も記録されているため、口腔内全体の条件を踏まえた治療計画が必要でした。なお、本症例と似た叢生や交叉咬合であっても、同じ歯を抜歯するとは限りません。抜歯の有無や部位は、精密検査後の診断によって決定します。

TADを併用したワイヤー矯正

治療では、TAD(歯科矯正用アンカースクリュー)を2本使用しました。TADは顎の骨に設置し、歯を動かす際の固定源として利用する小さな装置です。マルチブラケット装置と組み合わせることで、歯の移動を行う際の支点として使用します。

裏側矯正を行うすべての方に必要な装置ではなく、どの歯をどの方向へ動かす必要があるかによって使用の有無を判断します。本症例では上顎のリンガルアプライアンスとTADを組み合わせて治療しています。矯正方法は「裏側矯正だからこの装置だけ」という単純なものではなく、患者さまの歯並びや噛み合わせに応じて複数の装置を組み合わせる場合があります。

治療後の変化

治療後の口腔内写真では、治療前に重なっていた上下の前歯が整い、歯列の状態が変化していることを確認できます。症例写真を見る際は、正面写真だけでなく、左右から見た噛み合わせや、上顎・下顎の歯列を上から見た写真も比較することが重要です。

矯正治療は前歯の見た目だけを整える治療ではなく、上下の歯がどのように接触するかを確認しながら歯列全体を調整していきます。また、治療後の歯には元の位置へ戻ろうとする性質があるため、動的治療終了後は保定装置(リテーナー)を使用します。保定装置を指示どおり使用しない場合には、後戻りや予想できない歯の移動が生じる可能性があります。

治療期間・治療回数・費用

本症例の動的治療期間は2年0か月、治療回数は24回、治療費は126万5,000円(税込)でした。これは本症例の治療時点の実績であり、現在の料金体系と異なる場合があります。また、治療期間や通院回数は、叢生の程度、交叉咬合、歯の移動量、欠損歯や補綴物の状態、使用する装置などによって変わります。本症例と似た見た目の歯並びでも、治療方法や期間が同じになるとは限りません。実際の治療内容については、口腔内写真やレントゲンなどを用いた精密検査を行い、診断後に確認する必要があります。

裏側矯正で考えられるリスク・副作用

裏側矯正では、歯を移動させる際に違和感や痛みが出ることがあります。装置が舌に近いため、舌の痛み、口内炎、発音のしづらさ、食事のしづらさなどが生じる場合があります。また、装置の周囲は清掃が難しくなるため、歯磨きが不十分な場合には虫歯や歯周病のリスクが高まります。

このほか、歯根吸収、歯肉退縮、顎関節の症状、装置の脱離、治療後の後戻りなどが起こる可能性があります。本症例のようにTADを使用する場合には、スクリューの脱落や周囲組織の炎症などが生じる場合もあります。特に既存の欠損歯や補綴物がある症例では、矯正治療中も口腔内全体の状態を継続的に確認することが重要です。

この症例に関するよくある質問

交叉咬合があっても裏側矯正はできますか?

交叉咬合でも裏側矯正が選択肢になる場合があります。ただし、歯の傾きだけが原因なのか、顎の位置や骨格との関係が大きいのかによって治療方法は変わります。精密検査で上下の歯列と骨格を確認したうえで判断します。

被せ物や欠損歯があっても矯正できますか?

被せ物や欠損歯がある場合でも矯正治療が可能なことはありますが、現在の補綴物の状態や欠損部の扱いを含めて治療計画を立てる必要があります。本症例でも欠損歯・不良補綴物が記録されていました。個別の対応は診断によって異なります。

左右で違う歯を抜くことはありますか?

あります。矯正治療の抜歯部位は必ずしも左右対称ではありません。歯の欠損や位置、噛み合わせ、必要なスペースなどを総合的に確認して決定します。本症例では左上第一小臼歯と右下第一小臼歯を抜歯しています。

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