矯正歯科の治療期間完全ガイド|年齢別・治療法別に徹底解説 | 新宿の矯正歯科

矯正歯科の治療期間完全ガイド|年齢別・治療法別に徹底解説

最終更新日2025.4.28(公開日:2023.06.01)
監修者:日本矯正歯科学会認定医 院長 宮島 桜

笑顔の男女

「矯正治療をはじめたいけど、どのくらいの期間がかかるの?」「仕事や学校生活に影響しない?」矯正治療を検討する多くの方が持つこの疑問にお答えします。

この記事では、年齢や症例、治療法によって異なる矯正治療の期間について、専門医の視点から詳しく解説します。

矯正歯科の治療期間はどのくらい?

矯正歯科治療は、歯並びや噛み合わせを改善するための長期的な取り組みです。治療期間は一人ひとりの口腔状態や選択する治療方法によって大きく異なりますが、大まかな目安をご紹介します。

矯正治療の一般的な期間:

  • ・成人の場合:1年半~2年半
  • ・子供の場合:2年~3年
  • ・部分矯正:6ヶ月~1年
  • ・マウスピース矯正:1年~2年

これらはあくまで目安であり、実際の治療期間は個人差が大きいことをご理解ください。治療期間は初診時のカウンセリングで、歯科医師からより具体的な説明があります。

成人の矯正治療期間|1年半~2年半が目安

成人の矯正治療は、一般的に1年半から2年半程度が目安とされています。これは、永久歯がすべて生えそろっている状態での治療となるため、計画的に歯を動かしていくことができるためです。

成人の治療期間に影響する要因

成人の矯正治療期間は、以下の要因によって変動します:

1. 歯並びの状態と症例の複雑さ:

  • 軽度の叢生(歯のずれ):約1年~1年半
  • 中度の叢生や過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を深く覆う状態):約1年半~2年
  • 重度の叢生や開咬(前歯が噛み合わない状態):約2年~2年半
  • 顎変形症を伴う場合:約2年半~3年(外科手術を含む)

2. 年齢による骨の代謝速度:

20代と比較して、40代以降は骨の代謝速度が遅くなるため、同じ症例でも治療期間が約10~20%長くなる傾向があります。

3. 抜歯の有無:

抜歯を伴う治療の場合、抜歯スペースを閉じるために追加で3~6ヶ月ほど期間を要することがあります。

矯正装置別の治療期間の違い

選択する矯正装置によっても治療期間に違いが生じます:

矯正装置の種類 平均治療期間 特徴
表側矯正(メタルブラケット) 1年半〜2年 治療の自由度が高く、複雑な症例にも対応可能
表側矯正(セラミックブラケット) 1年半〜2年 メタルブラケットと同等の効果で目立ちにくい
裏側矯正(リンガルブラケット) 1年半〜2年半 外から見えないが、やや治療期間が長くなる傾向あり
マウスピース矯正 1年〜2年 軽度〜中度の症例に適応、装着時間の遵守が重要
部分矯正 6ヶ月〜1年 前歯部のみなど限定的な治療に適応

2024年最新情報

近年の矯正技術の進歩により、従来よりも治療期間が短縮されつつあります。特に自己結紮型ブラケットやコンピューターシミュレーションを活用した治療計画の導入により、従来より15~20%程度治療期間が短縮できるケースも増えています。

子供の矯正治療期間|2年~3年が目安

子供の矯正治療は、一般的に2年から3年程度が目安です。成長発育に合わせた治療が必要なため、成人よりもやや長期間となることが多いです。

子供の治療期間に影響する要因

1. 成長のタイミング:

顎の成長期(女子:10~12歳頃、男子:12~14歳頃)に合わせた治療が効果的で、このタイミングを逃すと治療期間が長くなることがあります。

2. 乳歯から永久歯への交換時期:

永久歯の生え変わりに合わせて治療を進めるため、個人差による影響が大きいです。

3. 治療の種類:

床矯正(取り外し式装置):約1年~1年半 機能的矯正装置:約1年~1年半 マルチブラケット装置:約1年半~2年

早期治療と二期治療の違い

子供の矯正は、早期治療(第一期治療)と二期治療に分けられることがあります:

早期治療(第一期治療):

  • 対象年齢:7~10歳頃
  • 治療期間:約1年~1年半
  • 目的:顎の発育誘導、将来的な抜歯の回避
  • 装置:拡大床、機能的矯正装置など

二期治療:

  • 対象年齢:11~13歳頃(永久歯が生えそろった時期)
  • 治療期間:約1年半~2年
  • 目的:永久歯の配列の調整
  • 装置:マルチブラケット装置など

二段階で治療を行う場合、総治療期間は約2年半~3年半になりますが、間に装置を外す休止期間があるため、実際の装置装着期間はそれより短くなります。

矯正治療の流れと通院頻度

矯正治療の全体の流れと各段階での通院頻度を理解することで、生活スケジュールに組み込みやすくなります。

初診から治療開始までの期間

1. 初診相談(約1時間):

矯正治療の目的や流れ、費用などの説明を受けます。

2. 精密検査(約1時間~1時間半):

  • ・レントゲン撮影(パノラマ、セファロ)
  • ・口腔内・顔貌写真撮影
  • ・歯型取り(印象採得)

3. 診断・治療計画の説明(約30分~1時間):

検査結果をもとに、具体的な治療計画、期間、費用の説明を受けます。

初診から治療開始までは、通常2週間~1ヶ月程度かかります。この期間中、必要に応じて虫歯治療や歯石除去などの事前準備を行います。

定期通院の頻度と内容

通院頻度:

  • 矯正装置装着直後:1~2週間後に調整
  • 通常期間:3~4週間に1回の調整
  • マウスピース矯正:4~6週間に1回の調整とマウスピース交換

1回あたりの診療時間:

  • 通常の調整:15~30分程度
  • 特殊な処置(ワイヤー交換など):30~45分程度

治療完了までのステップ

矯正治療は主に以下の段階に分けられます:

  • 1レベリング期(3~6ヶ月)
    歯の高さを揃え、軽度の捻転を修正する期間
  • 2空隙閉鎖期(6~12ヶ月)
    抜歯した場合のスペースを閉じる、または歯を後方に動かす期間
  • 3仕上げ期(3~6ヶ月)
    細かい噛み合わせの調整を行う期間
  • 4保定装置装着
    矯正装置を外し、保定装置に切り替える

最新治療における変化(2024年情報)

デジタル矯正計画の導入により、治療ステップの予測精度が向上し、不要な調整が減少。結果として全体の通院回数が約10~15%減少するケースが増えています。

保定期間とメンテナンス

矯正治療が終了した後も、歯並びを安定させるための保定期間が必要です。この期間を含めた全体のスケジュールを把握しておくことが大切です。

保定装置の種類と装着期間

保定装置の種類:

1. 固定式保定装置(リンガルリテーナー)
  • 装着部位:主に下の前歯の裏側
  • 装着期間:最低2年~場合によっては永久的に装着
2. 取り外し式保定装置(リムーバブルリテーナー)
  • 装着方法:最初の3~6ヶ月は終日装着、その後就寝時のみ
  • 装着期間:約1~2年(個人差あり)

保定期間の目安:

  • ・最低1~2年の保定期間が必要
  • ・個人差や症例によっては、より長期間の保定が必要な場合も

治療後のメンテナンススケジュール

メンテナンス通院の頻度:

  • 装置除去後1ヶ月:保定装置の適合確認
  • 3ヶ月後:初期の後戻りがないか確認
  • 6ヶ月後、1年後:定期的な経過観察
  • その後:6ヶ月~1年に1回程度

メンテナンス時の主なチェックポイント:

  • ・歯の位置の安定性確認
  • ・保定装置の適合状態確認
  • ・口腔衛生状態のチェック
  • ・必要に応じた保定装置の調整

データから見る後戻りリスク(2023年研究)

適切な保定管理を行った場合、治療完了5年後の後戻りは前歯部で平均1.5mm以内に抑えられるというデータがあります。保定装置の適切な使用が後戻り防止の鍵となります。

治療期間を短縮するポイント

治療期間をできるだけ短縮するためのポイントをご紹介します:

1. 矯正装置の装着時間を守る

マウスピース矯正の場合、1日20~22時間の装着が推奨されており、これを遵守することで予定通りの治療進行が可能になります。

2. 定期的な通院を欠かさない

予約をキャンセルすると、その分だけ治療期間が延びる可能性があります。

3. 口腔衛生管理を徹底する

虫歯や歯周病の発生は治療の中断につながり、結果的に治療期間が延長します。

4. 医師の指示を守る

輪ゴムの装着など、自己管理が必要な処置については指示通りに行うことが大切です。

5. 最新の矯正技術を活用する

自己結紮型ブラケットやデジタル矯正など、治療期間短縮に寄与する新技術を検討する価値があります。

当院では2023年から導入している加速矯正システムにより、従来と比較して約20~30%の治療期間短縮が可能になったケースもあります(症例による)。

よくある質問

仕事が忙しくて定期的な通院が難しいですが、矯正治療は可能ですか?

多くの矯正歯科では平日夜間や土曜日の診療を行っています。また、通院頻度を調整できるマウスピース矯正など、ライフスタイルに合わせた治療法を選択することも可能です。初回相談時に、お仕事のスケジュールについて相談されることをおすすめします。

治療途中で引っ越しする予定がありますが、転医は可能ですか?

転医は可能です。治療記録や資料を転医先に提供することで、継続した治療が受けられます。ただし、矯正装置の種類や治療方針が異なる場合は、追加費用が発生することがあります。引っ越しが決まった段階で、早めに担当医に相談することをおすすめします。

子供の矯正は永久歯が生えそろってからの方が良いのでしょうか?

ケースによります。叢生(歯のでこぼこ)や交叉咬合などの問題は、早期治療(7~10歳頃)が効果的な場合があります。一方、単純な歯並びの問題であれば、永久歯が生えそろう11~13歳頃からの治療が効率的です。お子さまの状態に合わせた最適な治療開始時期を専門医に相談されることをおすすめします。

治療期間が長いと聞いて不安です。途中で辞めることはできますか?

矯正治療は途中で中断することも可能ですが、中途半端な状態で終了すると、歯並びが不安定になったり、噛み合わせに問題が生じたりする可能性があります。また、再開する場合には追加費用が必要になることが一般的です。不安な点は事前に担当医とよく相談することをおすすめします。

痛みはどのくらい続きますか?仕事や学校に影響しますか?

装置装着直後や調整後には、一時的な不快感や痛みを感じることがありますが、通常は3~5日程度で慣れてきます。鎮痛剤で対応できる程度の痛みであり、日常生活に大きな支障をきたすことは少ないです。痛みに弱い方には、調整の強さを調節するなどの対応も可能です。

まとめ|矯正治療期間を計画的に考える

矯正歯科治療は、美しい歯並びと健康的な噛み合わせを手に入れるための長期的な投資です。治療期間の目安は以下の通りです:

口ゴボ矯正で得られるもの

  • 成人:1年半~2年半
  • 子供:2年~3年
  • 保定期間:1年~2年(場合により長期)

治療期間は歯の状態や治療方法、そして患者さん自身の協力度によって変動します。治療前のカウンセリングで詳細な説明を受け、ライフスタイルに合わせた治療計画を立てることが大切です。

矯正治療は一時的な不便さを伴いますが、その先にある健康的な口腔環境と自信に満ちた笑顔は、人生の大きな財産となります。治療期間について不安や疑問がある場合は、ぜひ専門医にご相談ください。

当院では無料カウンセリングを実施しており、あなたの歯並びの状態や生活スタイルに合わせた最適な治療プランをご提案しています。お気軽にお問い合わせください。

この記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症例に対する具体的なアドバイスではありません。実際の治療期間や方法については、必ず専門の矯正歯科医師にご相談ください。

【参考文献】

  • 1. 日本矯正歯科学会. (2023). 矯正歯科治療における標準治療期間に関するガイドライン
  • 2. 宮島桜. (2024). デジタル時代の矯正歯科治療計画と治療期間の最適化. 矯正歯科ジャーナル, 43(2), 56-63.
  • 3. American Journal of Orthodontics & Dentofacial Orthopedics. (2023). Factors affecting orthodontic treatment time in adult patients.
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