最終更新日:2025.5.29(公開日:2025.5.29)
監修者:日本矯正歯科学会認定医 院長 宮島 桜

「歯並びがデコボコしている」「歯が重なって生えている」「歯磨きがしづらい」――このようなお悩みをお持ちではありませんか?
歯並びのデコボコ(叢生)は、日本人に最も多く見られる歯並びの問題の一つです。見た目の悩みはもちろん、歯磨きのしにくさによる虫歯や歯周病のリスク増加、噛み合わせの問題など、様々な影響をもたらす可能性があります。
このページでは、歯並びがデコボコになる原因から、治療方法、費用、治療期間まで詳しく解説します。あなたの歯並びの悩みを解決するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
歯並びがデコボコになる原因と影響
歯並びがデコボコになる状態は、歯科医学的には「叢生(そうせい)」と呼ばれ、歯が正常な位置から傾いたり、回転したり、重なったりしている状態を指します。
叢生(そうせい)とは?乱杭歯の医学的解説
叢生(そうせい)の定義
叢生とは、歯列弓(歯が並ぶアーチ状のライン)上に十分なスペースがなく、歯が密集して不規則に並んでいる状態を指します。一般的には「デコボコの歯並び」「乱杭歯(らんぐいば)」とも呼ばれます。
叢生の分類
叢生は、その程度と原因によって以下のように分類されます:
1.軽度叢生
- ・歯の傾きや回転が軽度で、隣接する歯との重なりが少ない
- ・主に前歯部に見られることが多い
- ・見た目の問題が中心で、機能面への影響は少ない
2.中等度叢生
- ・明らかな歯の重なりや位置異常がある
- ・前歯から小臼歯にかけて見られることが多い
- ・歯磨きがしづらく、プラークが溜まりやすい
3.重度叢生
- ・著しい歯の重なりや位置異常、埋伏歯(正常に萌出できない歯)を伴うことも
- ・歯列全体に及ぶことが多い
- ・見た目だけでなく、噛み合わせや発音、口腔衛生面での問題が顕著
叢生の特徴
- ・歯が重なり合って生えている
- ・歯が捻じれたように見える
- ・歯列弓から内側や外側にずれた歯がある
- ・上下の歯の噛み合わせが不規則
- ・歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
- ・歯磨きがしづらい部分がある
叢生は日本人に非常に多い歯並びの問題で、現代人の約40%以上が何らかの叢生を持っていると言われています。
デコボコ歯並びが起きる5つの原因
歯並びがデコボコになる主な原因は以下の5つです:
1.顎と歯のサイズの不調和(遺伝的要因)
最も一般的な叢生の原因は、顎のサイズに対して歯が大きすぎる、または顎が小さすぎることです。
- ・顎の大きさや形は両親から遺伝する傾向がある
- ・歯のサイズも遺伝的要素が強い
- ・近年は顎が小さくなる傾向があるとされる(食生活の変化など)
2.乳歯の早期喪失
乳歯が虫歯などで早くに失われると、後続の永久歯のスペースが確保できなくなることがあります。
- ・乳歯は永久歯のために適切なスペースを保持する役割がある
- ・早期に喪失すると隣の歯がそのスペースに移動してしまう
- ・特に乳臼歯(奥歯の乳歯)の早期喪失は叢生のリスクを高める
3.悪習癖
特に成長期に以下のような習慣があると、歯並びやあごの発達に悪影響を及ぼします。
- ・長期間の指しゃぶり
- ・舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
- ・口呼吸の習慣
- ・頬杖をつく習慣
4.永久歯の萌出(生えてくる)順序の乱れ
永久歯が正常な順序で生えてこないと、デコボコの原因となることがあります。
- ・乳歯が残っているのに永久歯が別の場所から生えてくる
- ・埋伏歯(特に犬歯や第二小臼歯に多い)
- ・過剰歯(本来の歯の数より多い歯が生えてくる)
5.現代の食生活と環境要因
柔らかい食事が増えたことで、顎の発達が不十分になる傾向があります。
- ・硬いものをしっかり噛む機会の減少
- ・離乳食以降の食感の多様性不足
- ・姿勢の問題(猫背など)による顎位への影響
これらの原因が単独または複合的に作用し、歯並びのデコボコを引き起こします。原因を特定することで、より効果的な治療計画を立てることができます。
放置するとどうなる?歯の健康と見た目への影響
歯並びのデコボコを放置すると、見た目だけでなく、歯の健康や全身にも様々な影響を及ぼす可能性があります。
口腔衛生面への影響
- 《虫歯リスクの増加》
歯が重なっていると歯ブラシが届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。その結果、虫歯になるリスクが高まります。 - 《歯周病の発症・進行》
同様に、歯と歯の間や歯肉との境目に歯垢や歯石が溜まりやすくなり、歯肉炎や歯周病を引き起こす可能性が高まります。 - 《口臭の原因に》
清掃不良部分に細菌が繁殖し、口臭の原因となることがあります。
機能面への影響
- 《咀嚼効率の低下》
デコボコの歯並びでは、上下の歯がうまく噛み合わないことがあり、食べ物をしっかり噛み砕けない場合があります。 - 《発音への影響》
特に前歯部の叢生は、サ行やタ行などの発音に影響することがあります。 - 《顎関節への負担》
不適切な噛み合わせは、顎関節に過度な負担をかけ、顎関節症の原因となる可能性があります。
見た目・心理面への影響
- 《審美的な問題》
明らかな歯並びのデコボコは、笑顔や表情に自信を持てなくなる原因になることがあります。 - 《心理的影響》
歯並びを気にして、人前で笑うことを控えたり、コミュニケーションに消極的になったりすることがあります。 - 《社会的印象》
第一印象や対人関係において、歯並びは意外と注目される部分です。
将来的なリスク
- 《歯の早期喪失リスク》
虫歯や歯周病のリスクが高まることで、将来的に歯を失うリスクも高まります。 - 《加齢による悪化》
叢生は年齢とともに自然に改善することはなく、むしろ加齢とともに悪化する傾向があります。特に下の前歯は、年齢とともに混み合いが強くなることが多いです。 - 《全身への影響》
口腔内の問題は、消化器系の負担増加や、歯周病を介した全身疾患(心疾患や糖尿病など)との関連も指摘されています。
歯並びのデコボコは、単なる見た目の問題ではなく、お口の健康全体に関わる重要な問題です。早めに専門家に相談し、適切な対応を検討することをおすすめします。
歯並びのデコボコを改善する治療方法
歯並びのデコボコ(叢生)を改善するには、様々な矯正治療法があります。患者さまの年齢、叢生の程度、原因、ライフスタイルなどを考慮して、最適な治療法を選択することが重要です。
症状の程度別・おすすめ治療法
軽度の叢生の場合
軽度の叢生(歯の重なりが少なく、主に前歯部に限局)には、以下の治療法が効果的です:
1. マウスピース矯正
- ・透明なプラスチック製のマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かす方法
- ・目立たず取り外し可能なため、審美性と衛生面で優れている
- ・装着時間の遵守(1日20時間以上)が成功の鍵
2.部分矯正
- ・問題のある箇所のみ矯正装置を装着する方法
- ・治療期間が比較的短く、費用も抑えられる
- ・適応症例が限られる(全体的な噛み合わせに問題がない場合など)
3.表側矯正(前歯部のみ)
- ・前歯部のみにブラケットを装着する方法
- ・治療期間と費用を抑えつつ、効果的な改善が可能
- ・全体的な噛み合わせの調整は限定的
中等度の叢生の場合
歯の重なりが明らかで、前歯から小臼歯にかけて見られる場合:
1.表側矯正(フルアーチ)
- ・最も一般的な矯正方法で、歯の表側にブラケットを装着
- ・あらゆるタイプの歯の移動に対応可能
- ・金属ブラケットとセラミックブラケットの選択肢あり
2.裏側矯正
- ・歯の裏側にブラケットを装着するため、外からほとんど見えない
- ・社会人など見た目を特に気にする方に適している
- ・表側矯正と同等の治療効果を期待できる
3.マウスピース矯正
- ・中等度の叢生でも、適切な症例選択とデジタル設計により効果的
- ・複雑な歯の動きには補助的な装置が必要になることも
重度の叢生の場合
著しい歯の重なりや位置異常、埋伏歯を伴うような重度の叢生:
1.抜歯を伴う矯正治療
- ・歯を並べるスペースを確保するために、通常は小臼歯を抜歯
- ・表側矯正または裏側矯正と組み合わせて実施
- ・治療期間は比較的長くなる傾向(2年前後)
2.拡大装置との併用治療
- ・特に上顎が狭い場合、拡大装置で顎を広げてから矯正を行う
- ・成長期の子どもに特に効果的
- ・非抜歯での治療の可能性を高める
3.外科矯正との併用
- ・極めて重度の叢生や骨格的な問題を伴う場合
- ・矯正治療と顎の手術を組み合わせる
- ・最も複雑な治療だが、大幅な改善が期待できる
それぞれの治療法には、メリットとデメリット、適応症と禁忌があります。
当院では詳細な診査・診断に基づき、患者さま一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。
抜歯矯正vs非抜歯矯正の選択ポイント
歯並びのデコボコ(叢生)の治療において、抜歯するかしないかは重要な検討ポイントです。それぞれの利点と欠点、選択の基準について解説します。
抜歯矯正とは
抜歯矯正とは、歯を並べるためのスペースを確保する目的で、通常は左右対称に計画的に歯を抜いて行う矯正治療です。多くの場合、第一小臼歯(前から4〜5番目の歯)または第二小臼歯(前から5〜6番目の歯)が抜歯対象となります。
非抜歯矯正とは
非抜歯矯正は、歯を抜かずに様々な矯正技術を駆使して歯並びを改善する方法です。歯の傾斜調整や顎の拡大、歯と歯の間の一部を削る(IPR:歯間削合)などの手法を用います。
抜歯を検討する主な要素
1.叢生の程度
- ・重度の叢生(8mm以上のスペース不足)では、抜歯が必要なケースが多い
- ・特に成人で顎の拡大が期待できない場合は抜歯を検討
2.口元の突出度
- ・口元が前方に突出している場合、抜歯によりプロファイル(横顔)の改善も期待できる
- ・特にEライン(鼻先と顎の先を結ぶライン)より口唇が大きく前に出ている場合
3.歯と顎のバランス
- ・歯のサイズが顎に対して大きい場合(歯冠幅径と顎弓長径の不調和)
- ・骨格的に顎が小さい場合
4.年齢と成長の可能性
- ・成長期の子どもでは、顎の発育を促す治療で非抜歯の可能性が高まる
- ・成人では骨格的成長が期待できないため、スペースの問題は抜歯で対応することが多い
5.全身的・局所的要因
- ・既存の歯の問題(重度の虫歯や歯周病で抜歯が必要な歯がある場合)
- ・特定の全身疾患や口腔内の条件
非抜歯で対応できる可能性が高いケース
- ・軽度〜中度の叢生(5mm未満のスペース不足)
- ・口元の突出が少ない
- ・成長期の子ども(特に上顎の拡大が有効な時期)
- ・歯と顎のサイズの不調和が軽度
- ・IPR(歯間削合)で十分なスペースが確保できる場合
抜歯・非抜歯の決定プロセス
当院では、以下のような総合的な検査と分析に基づいて、抜歯・非抜歯の判断を行います:
- 1.口腔内・顔貌の詳細な診査
- 2.レントゲン写真とセファログラム(頭部X線規格写真)分析
- 3.歯列模型分析(スペース分析など)
- 4.3Dシミュレーションによる治療結果予測
- 5.患者さまのご希望や価値観の確認
治療計画の立案にあたっては、単に歯並びだけでなく、将来的な安定性、顔貌への影響、機能面なども考慮した総合的な判断を行います。
最終的な決定は、専門的な診断結果と患者さまのご希望を擦り合わせながら行いますので、ご安心ください。
目立たない矯正装置のオプション
見た目を気にされる方でも矯正治療に取り組みやすいよう、当院では様々な「目立ちにくい矯正装置」をご用意しています。それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
1.マウスピース矯正
透明なプラスチック製のマウスピースを使用する矯正方法です。
特徴
- ・ほぼ透明で非常に目立ちにくい
- ・取り外し可能で、食事や歯磨き時に外せる
- ・金属アレルギーの心配がない
- ・装着感が比較的快適
適応
- ・軽度〜中度の叢生
- ・審美性を最も重視する方
- ・自己管理ができる方(装着時間の遵守が重要)
制限事項
- ・重度の叢生や複雑な症例には不向き
- ・1日20時間以上の装着が必要
- ・複雑な歯の動きには補助的な装置が必要なことも
当院で使用するシステム
- ・インビザライン
- ・アソアライナー
- ・その他カスタムメイドのマウスピース
2.セラミックブラケット(表側矯正)
歯の色に近い半透明のセラミック素材でできたブラケットを使用する矯正方法です。
特徴
- ・従来の金属ブラケットより目立ちにくい
- ・様々な歯の動きに対応可能で治療の自由度が高い
- ・着色しにくい高品質セラミックを使用
適応
- ・軽度〜重度まであらゆる叢生
- ・ある程度の審美性を求める方
- ・マウスピース矯正では対応困難な複雑な症例
制限事項
- ・金属ブラケットに比べると若干費用が高い
- ・金属ブラケットよりやや大きいことがある
- ・ワイヤーは通常金属製のため完全に目立たなくはならない
3.裏側矯正(リンガルブラケット)
歯の裏側(舌側)にブラケットを装着する矯正方法です。
特徴
- ・外からはほとんど見えない(最も審美的な固定式装置)
- ・あらゆる種類の歯の動きに対応可能
- ・特に前歯部の矯正に高い効果
適応
- ・軽度〜重度まであらゆる叢生
- ・仕事上の理由などで装置を極力見せたくない方
- ・表側矯正と同等の治療効果を求める方
制限事項
- ・費用が他の方法より高い傾向
- ・舌に近いため、初期は発音や違和感に慣れが必要
- ・調整に特殊な技術が必要(当院の矯正専門医は十分な経験あり)
4. ハイブリッド矯正
複数の矯正方法を組み合わせる治療法です。例えば、上顎は目立ちやすいため裏側矯正、下顎は裏側矯正やマウスピース矯正を選ぶなど。
特徴
- ・部位や治療段階によって最適な装置を選択できる
- ・見た目と効果のバランスが取れる
- ・費用面でも完全裏側矯正よりメリットがある場合も
適応
- ・審美性と治療効果のバランスを重視する方
- ・特に上の前歯などの目立つ部分の審美性を重視する方
当院の目立たない矯正の取り組み
当院では、単に目立たない装置を使用するだけでなく、以下のような工夫で治療中の審美性にも配慮しています:
- ・透明または白色のワイヤーの使用(表側矯正の場合)
- ・クリアタイプのゴムの使用
- ・デジタル技術を活用した装置設計の最適化
患者さまのライフスタイルや希望、そして治療効果のバランスを考慮し、最適な「目立たない矯正」のオプションをご提案します。見た目を気にして矯正治療をためらっている方も、ぜひ一度ご相談ください。
デコボコ歯並びの矯正期間と費用
歯並びのデコボコ(叢生)の矯正治療について、気になる治療期間と費用の目安をご紹介します。
治療期間の目安
叢生の矯正治療の期間は、症状の程度や選択する治療法によって異なります:
軽度の叢生(歯の重なりが少ない)
- ・表側矯正:約1年〜1年6ヶ月
- ・裏側矯正:約1年〜1年6ヶ月
- ・マウスピース矯正:約1年〜1年6ヶ月
- ・部分矯正(前歯部のみ):約6ヶ月〜1年
中等度の叢生
- ・表側矯正:約1年6ヶ月〜2年
- ・裏側矯正:約1年6ヶ月〜2年
- ・マウスピース矯正:約1年6ヶ月〜2年
重度の叢生
- ・非抜歯の場合:約1年6ヶ月〜2年6ヶ月
- ・抜歯を伴う場合:約2年〜2年6ヶ月
- ・外科矯正を伴う場合:約2年〜3年(術前・術後矯正を含む)
治療期間に影響する要素
- ・患者さまの年齢(若い方が歯の移動が早い傾向)
- ・骨の代謝スピード(個人差あり)
- ・治療への協力度(装置の使用状況など)
- ・通院の規則性
当院では、治療開始前に詳細な治療計画をご説明し、予想される治療期間をお伝えします。
また、デジタル矯正技術の活用により、従来よりも効率的で精度の高い治療を提供し、可能な限り治療期間の短縮を図っています。
治療費用の目安
叢生の矯正治療費用も、症状の程度や治療法によって異なります:
初診料・検査料
- ・初診相談料:無料(当院では初回カウンセリングは無料で実施)
- ・精密検査料:30,000円〜50,000円 (レントゲン、セファロ分析、歯列模型、口腔内写真、顔貌写真など)
治療費用の目安
- ・表側矯正(金属ブラケット):約600,000円〜800,000円
- ・表側矯正(セラミックブラケット):約700,000円〜900,000円
- ・裏側矯正:約900,000円〜1,200,000円
- ・マウスピース矯正:約700,000円〜900,000円
- ・部分矯正:約300,000円〜500,000円
- ・外科矯正:約800,000円〜1,500,000円(手術費用を含む)
その他の費用
- ・保定装置費:約50,000円〜80,000円
- ・定期観察料:約5,000円/回
- ・装置の破損修理費:状況により異なる
お支払い方法
- ・一括払い
- ・分割払い(月々10,000円〜)
- ・医療ローン(最大60回払いまで)
- ・クレジットカード払い
医療費控除について
矯正治療の費用は医療費控除の対象となります。年間の医療費の合計が10万円(または所得の5%のいずれか少ない方)を超えた場合、確定申告により税金の一部が還付される制度です。
- ・控除対象:矯正治療費、検査料、通院交通費など
- ・手続き:確定申告時に医療費控除の申請
- ・必要書類:当院発行の領収書、明細書
当院では治療費用のご負担を軽減するために、様々なお支払いプランをご用意しています。
また、医療費控除の申請に必要な書類の発行や手続きのアドバイスも行っています。
デコボコ歯並びに関するよくある質問
歯並びのデコボコ(叢生)の治療を検討されている方からよくいただくご質問にお答えします。
「歯を抜かずに治せますか?」
抜歯の必要性の判断基準
歯を抜くかどうかは、以下の要素を総合的に判断して決定します:
1. 叢生の程度:
・軽度〜中度の叢生(5mm程度までのスペース不足)は、非抜歯で治療できる可能性が高い
・重度の叢生(8mm以上のスペース不足)では、抜歯が必要になるケースが多い
2. 顎のサイズと歯のバランス:
・顎に対して歯が大きすぎる場合、全ての歯を並べるスペースが確保できないことがある
・特に現代人は顎が小さくなる傾向があり、抜歯が必要になるケースが増えている
3. 口元の突出度:
・口元が前に出ている場合、抜歯によって前歯を後方に移動させることで、横顔のバランスも改善できる
・非抜歯で無理に歯を並べると、口元がさらに突出する可能性がある
4. その他の選択肢:
・IPR(歯間削合):歯と歯の間を少量削ることでスペースを確保する方法
・拡大装置:特に成長期の子どもでは、顎を広げることで非抜歯治療の可能性が高まる
・TADs(矯正用アンカースクリュー):歯の移動をコントロールし、抜歯を回避できる可能性がある
当院の取り組み
当院では、可能な限り患者さまのご希望に沿った治療を行うよう努めています。抜歯を極力避けたいという方には、以下のような対応を検討します:
・精密な分析と3Dシミュレーションによる治療計画
・最新の矯正技術(TADsなど)の活用
・適切なIPR(歯間削合)の実施
・成長期の子どもでは、発育誘導的なアプローチ
ただし、長期的な安定性や機能面、そして審美的な結果を考慮した場合、抜歯が最適な選択肢となるケースもあります。その場合は、丁寧な説明と十分な情報提供を行い、患者さまと一緒に最適な治療法を選択していきます。
「抜歯は絶対に避けたいと思っていましたが、詳しい説明を受け、私の場合は抜歯をしないと将来的に歯並びが不安定になる可能性が高いことを理解しました。実際に治療を終えて、抜歯を決断して良かったと思っています。」(30代女性)
「大人のデコボコでも治りますか?」
はい、大人の方でもデコボコの歯並び(叢生)は治療可能です。
大人の矯正治療の特徴
《骨の代謝》
成長期と比べると骨の代謝がやや緩やかなため、歯の移動にやや時間がかかることがあります。ただし、個人差が大きく、若い方と同等のスピードで進む場合もあります。
《既存の歯科的問題》
大人の場合、虫歯や歯周病、過去の治療(詰め物・被せ物)などがあることが多く、これらを考慮した治療計画が必要となります。
《骨格的制約》
成長が完了しているため、顎の成長を利用した治療は難しく、歯の移動を中心とした治療になります。
大人の矯正治療の利点
《治療への理解と協力》
大人の方は治療の必要性をよく理解し、指示にしっかり従ってくれることが多いため、予測通りの治療結果を得やすい。
《口腔衛生管理》
自己管理能力が高く、装置の清掃や口腔ケアがしっかりできる方が多い。
《目立たない装置の選択肢》
社会人向けの目立ちにくい矯正装置(マウスピース矯正、裏側矯正など)が充実しており、ライフスタイルに合わせた選択が可能。
《当院の成人矯正の実績》
当院では多くの成人患者さまの叢生治療を行ってきました。年齢の幅も広く、20代から60代まで様々な年齢層の方が矯正治療に取り組んでいます。
「40代になってから矯正を始めるのは遅すぎるのではと心配でしたが、先生からは『矯正治療に年齢制限はない』と言われ安心しました。結果的に1年半ほどで歯並びがきれいになり、もっと早く相談すればよかったと思っています。」(40代男性)
「50代で矯正を始めましたが、マウスピース矯正を選んだおかげで、仕事や社会生活に支障なく治療を継続できました。歯並びが良くなったことで、歯磨きもしやすくなり、歯科検診での評価も上がりました。」(50代女性)
大人になってからでも、適切な治療計画と患者さまの協力があれば、素晴らしい治療結果を得ることができます。「歳をとってからでは無理」と諦めずに、まずはご相談ください。
「部分矯正は可能?」
部分矯正の可能性
部分矯正とは、歯列全体ではなく、気になる一部分(通常は前歯部)のみに矯正装置を装着して行う治療です。歯並びのデコボコ(叢生)に対する部分矯正の可能性は、症状や状態によって異なります。
部分矯正が適応となる可能性が高いケース:
1. 前歯部のみの軽度な叢生:
・奥歯の噛み合わせが安定している
・前歯のみに軽度の重なりやデコボコがある
・スペースの問題が少ない
2. 以前に矯正治療を受けた後の軽度な後戻り:
・全体的な噛み合わせは良好
・一部の歯(特に下の前歯など)のみが後戻りしている
3. 審美的な問題が限局している場合:
・特定の1〜2本の歯の位置や角度のみが気になる
・全体的な噛み合わせに問題がない
部分矯正が適さないケース:
1. 中度〜重度の叢生:
・全体的なスペース不足がある
・複数の歯に重度の重なりがある
2. 噛み合わせ全体に問題がある場合:
・奥歯の噛み合わせが不安定
・上下の歯の中心線がずれている
・開咬や過蓋咬合などの咬合の問題がある
3. 骨格的な問題を伴う場合:
・顎のサイズや位置に問題がある
・顔のバランスにも影響している
部分矯正のメリット:
・治療期間が比較的短い(約6ヶ月〜1年)
・費用が全体矯正より抑えられる(約300,000円〜500,000円)
・装置が限定的な範囲のみ装着される
部分矯正の注意点:
・全体的な噛み合わせのバランスが考慮されないリスク
・長期的な安定性が全体矯正より劣る可能性
・歯の移動範囲に限界がある
当院の部分矯正へのアプローチ
当院では、部分矯正をご希望の方に対して、まず全体的な診査・診断を行い、部分矯正の適応かどうかを慎重に判断します。
適応と判断された場合は、最適な装置と治療計画をご提案
適応外と判断された場合は、その理由を詳しく説明し、代替案をご提案
部分矯正で対応できるケースでも、将来的な安定性や全体のバランスを考慮し、時には全体矯正をお勧めすることもあります。いずれの場合も、長期的な口腔健康を最優先に考えたご提案をいたします。
当院のデコボコ歯並び治療の特徴
当院では、歯並びのデコボコ(叢生)に対して、最新の技術と豊富な臨床経験に基づいた治療を提供しています。
当院の叢生治療の特徴
1.精密な診断と治療計画
- ・最新の3Dデジタルスキャンとレントゲン分析
- ・セファロ分析(頭部X線規格写真分析)による骨格評価
- ・歯と顎のサイズの精密な分析(ボルトン分析など)
- ・治療結果のデジタルシミュレーション
2.多様な治療オプション
- ・表側矯正(金属・セラミック)
- ・裏側矯正(リンガルブラケット)
- ・マウスピース矯正(インビザライン、アソアライナーなど)
- ・部分矯正
- ・必要に応じたTADs(矯正用アンカースクリュー)の活用
3.成長期の子どもへの早期介入
- ・混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)からの予防的アプローチ
- ・顎の成長誘導による非抜歯治療の可能性向上
- ・将来的な重度叢生の予防
4.大人の矯正への配慮
- ・社会生活に配慮した目立ちにくい装置の提案
- ・既存の歯科修復物(詰め物・被せ物)との調和
- ・歯周病など成人特有の問題への対応
5.長期安定性へのこだわり
- ・原因に基づいた包括的治療計画
- ・適切な保定装置の設計と管理
- ・定期的なフォローアップによる安定性の維持
当院の治療アプローチ
叢生の治療では、単に歯を並べるだけでなく、以下の点を特に重視しています:
機能と審美性のバランス
見た目の改善だけでなく、噛む機能や発音、口唇閉鎖などの機能面も重視
個々の歯の特性への配慮
歯の形状や大きさ、歯根の状態に合わせた歯の移動計画
顔全体のバランス
歯並びの改善が顔の印象にどう影響するかを考慮した治療計画
治療中の生活の質
痛みの少ない治療、装置の快適性、通院頻度の最適化などに配慮
矯正専門医による治療
当院の矯正治療は、日本矯正歯科学会認定医・専門医の資格を持つ専門医が担当します。定期的な学会参加や研修により、常に最新の知識と技術を習得し、質の高い治療を提供しています。
デジタル矯正技術の活用
当院では、従来の矯正治療に最新のデジタル技術を組み合わせることで、より精密で効率的な治療を実現しています:
- ・デジタル印象採得(口腔内スキャン)による精密な診断
- ・コンピュータシミュレーションによる治療計画と結果予測
- ・カスタムメイドの矯正装置による治療精度の向上
- ・遠隔モニタリングシステムによる通院回数の最適化
これらの技術と経験を活かし、一人ひとりの患者さまに最適な治療をご提供します。
専門医による無料カウンセリングのご案内
歯並びのデコボコ(叢生)でお悩みの方へ、当院では矯正専門医による無料カウンセリングを実施しています。
カウンセリングの内容
- ・現在の歯並びの状態の評価
- ・叢生の程度と原因の分析
- ・考えられる治療オプションの説明
- ・治療期間と費用の概算
- ・患者さまのご希望や生活スタイルに合わせた提案
- ・ご質問・ご不安への回答
カウンセリングの流れ
- 1.お電話またはWebからの予約
- 2.初回カウンセリング(約60分)
- 3.必要に応じて精密検査のご案内
- 4.詳細な治療計画のご提案
特典
- ・初回カウンセリング無料(通常5,500円)
- ・カウンセリング当日の精密検査ご希望の場合10%オフ
- ・治療開始の方に限り、ホワイトニング1回無料
歯並びのデコボコは、見た目の悩みだけでなく、口腔衛生や噛み合わせ機能にも影響する重要な問題です。特に叢生が進行すると、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
「自分の歯並びは治療が必要なのか」「どのくらいの期間や費用がかかるのか」「子どもの歯並びが気になるけど、様子を見ていいのか」など、どんな小さな疑問でも構いません。まずは気軽に無料カウンセリングにお越しください。
ご予約方法
- お電話:03-3355-0055(平日11:30-20:00、土日祝10:00-19:00)
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